精神科作業療法とは
当院には作業療法士が在籍しています。こころのケアをサポートする精神科作業療法や、認知症の機能訓練のみならず、身体的リハビリテーションを長年経験したスタッフによる身体的リハビリテーションも提供しています。
精神科作業療法の様子を綴っておりますのでご覧下さい。
1.高齢・認知症疾患の患者様に対して
認知症症状では主に見当識障害(場所・時間がわからないなど)や記銘力障害(記憶が保てない)などの症状が主に現れます。そのため、リアリティオリエンテーション(場所・時間の意識付け)や回想法(過去を想起し意欲の向上、自尊感情の再獲得する)の要素を取り入れ、症状の軽減、認知機能の維持・向上に努めています。また、高齢者では筋力低下など身体的な衰えが生じやすいことから、体操など動作を引き出す関りを行っています。
2.症状の安定
入院してすぐの患者様に対しては、まず関係性を作ることから始め、人や場になれることを促しています。また、当院では基本的に集団での活動ですが、個々に応じた作業に取り組む中で、人との交流や興味・関心のある作業に従事し、感情・情緒面の安定や安心感を持って過ごせる場の提供を行っています。
3.対人関係の改善
上記のように、当院では集団活動の中で患者様同士の交流を促し、対人関係に問題を抱えた方へのアプローチ、対処方法の模索を共に行っています。
4.基本的な日常生活への援助
日中は離床を促し作業療法活動への参加をすすめ、身体的な活動や人との交流、脳機能への賦活トレーニング(脳の働きを促す)を実施し、夜間の睡眠を促し生活リズムが安定するよう関わっています。
5.社会生活への援助
他の職種と連携し協力しながら、患者様やご家族の気持ちに寄り添い、その人らしく生活していける様、在宅復帰や就労に向けての相談や援助を行います。
6.生活機能とのアドバイス
精神科とは別に障害をかかえた患者様に対し、それぞれの身体の状態や生活状況、目標に合わせ機能回復訓練を行いその人がその人らしい生活を送れるよう生活機能改善に向けてリハビリテーションを行っていきます。
精神機能の障害によって生活に支障のある方々に対して、その方が選んだ場所で、その人らしく暮らせるよう、お手伝いいたします。
目的
1. 高齢・認知症疾患の患者様に対して
体操や作業、レクリエーションを通し、身体機能の維持、改善とともに精神の安定と認知症に対して改善をはかります。
2. 病状の安定
病気が不安定な時期に、活動を通じて病状の安定をはかり、回復を促進します。
作業活動には気分転換、ストレスの発散、情緒の安定をはかるなどの効果があります。
3. 対人関係の改善
人との関わりを持つことが苦手な人に対してはまず、人中にいることに慣れていただき、徐々に自分の気持ちの伝え方など、他者と上手にかかわるための方法を練習します。
人の中にいる手段として作業活動を利用します。
4. 基本的な日常生活への援助
病気のために生活が不規則になりやすいため、定期的な作業療法への参加を促し、生活リズムを整えます。
5. 社会生活への援助
他の職種と協力しながら、就労に向けての相談、援助を行い、「どのような仕事が自分に合いそうか」ということを一緒に探したり、趣味や余暇活動をお手伝いをします。
6. 生活機能等のアドバイス
精神科とは別に、障害によって生活機能等のアドバイスも行っています。
内容としては、身体機能・精神機能の改善、障害をもとに住宅改修のアドバイスも行います。
プログラム
- ストレッチ、スポーツ、農作業、音楽、レクレーション、手工芸、絵画、陶芸、ミーティングなど集団活動。
- 面接、各種評価、生活技能の指導/訓練、家庭訪問、社会資源の紹介/活用の援助などの個別対応。
精神科作業療法の様子を綴っておりますのでご覧下さい。